未だに続く英語アレルギー、その主要因とは?

日本人が持つ固定観念も、語学が苦手になる原因になっているのかなと感じます。その代表例が完璧主義だと思うのです。読者の皆様の周りでも勉強や仕事、スポーツなどで「ミスは許されない。」、「チャンスはこれっきりだ。」という雰囲気を感じたことはありませんか?

私の場合も同じで、渡英前に英語を勉強していたときには、「文法通りにしゃべらなアカン。」という間違った考えが根底にありました。これが外国語でコミュニケーションを取るときに足かせになってしまうのです。

特に私が大学のときに体感したことですが、会話の際に文法に過度に固執してしまうと、言葉が出なかったり時間のラグが生じたりすることが頻繁にありました。そうなってしまうと、話す相手に気まずい雰囲気や堅苦しい印象を与えてしまいかねません。

語学を勉強する際には文法も確かに大事なのですが、100%の完璧を追求する必要はありません。むしろ大事なのは、何としてもしゃべりたい、伝えたいという前向きなスタンスを持つことです。これだけでも相手に与える印象はガラリと変わります。

使う機会の少なさも、日本人の語学への抵抗感を増幅させた理由の一つではないでしょうか。以前はしゃべりたい、使いたいと思っていても使う環境や機会が少なかった、あるいは限定されていたはずです。中には「英語を勉強する意味あるの?」とか「英語はエリート層が学ぶもの。」と思っていた方もいるかもしれません。

また、外国人と話をしたり接したりすること自体が珍しいことだったと思います。これらは、島国であるが故のデメリットです。外国人観光客が本格的に増えだしてきたのは2000年代に入ってからですし、外国人のALT(AssistantLanguageTeacher:外国語指導助手)の先生が学校で授業を行うことも長いスパンで考えるとまだまだ始まったばかりです。

でも今は英語、外国語を前を向いて学習する時代に突入しています。いつまでも話せない理由を挙げて嘆いていても何も変わりません。次の章では語学学習のメカニズムや英会話の学習の仕方、取り組み方について、鉄道ファンや運輸職を目指す学生さん、現業職のみなさん向けにアレンジしたものを実践例を交えながら手ほどきしていきます。