未だに続く英語アレルギー、その主要因とは?
では、なぜ日本人の語学力が国際的に伸びないのか? という疑問が浮かんできます。考えられる要因は、主に5点あるのではないでしょうか。
1.日本語と英語の言葉の違い
2.今まで日本が行ってきた外国語教育の弊害
3.日本人の民族的気質
4.「完璧でなければいけない」という固定観念
5.使う機会の少なさ
第一に日本語と英語を比べると、言葉の成り立ちやつくりが大きく違います。言い換えれば、文章の構造や文法、文字からして違うということです。この違いは、英語学習を始めて直面する、最初の関門です。
中にはアルファベットを覚える段階から英語アレルギーになった方もいるかもしれません。不運にも話せるという喜びや成功体験を得られぬままネガティブなイメージを積み重ねてしまい、「英語がしゃべれなくてもしょうがない。」、「みんなそうだから仕方ないよね。」、「私には無理だよね。」と思ってしまった方も多くいるのではないでしょうか。その気持ちは私も理解できます。
というのも、明治時代から100年以上の長きにわたって続けられてきた英語学習はコミュニケーションの手段としてよりもむしろ学問として捉えられていた面があったからです。そのきっかけとなったのは、明治18(1885)年に伊藤博文首相が「教育の国語主義化」を掲げ、英語教育に対するアプローチを変えてしまったことでした。
この政策によって、日本の英語教育は文法や訳読中心に変容してしまい、発音や会話がおざなりになってしまったのです。これ以降、英語は学問として位置づけられるようになり、学生の会話力を含めた総合的な英語力も伸び悩んでいきます。この流れは、今までの大学入試の受験英語に代表されるように、最近まで色濃く反映されていました。