鉄道職員に英語って必要?

いきなりですが、質問です。鉄道職員にとって英語は必要なのでしょうか? もし、2択の選択肢があるとするならば、Yesです。

昭和や平成の初めの頃までは、鉄道の現場で英語を使う機会はそれほど多くありませんでした。ただ、新幹線の自動放送は2か国語になっていたり、東武鉄道の特急「けごん」や「きぬ」では、日光や鬼怒川温泉へ向かう外国人観光客の便宜を図るためにバイリンガルの女性クルーが乗車していたことがあったりと、一部のサービスでは以前から英語が実際に使われていました。

本格的に鉄道の現場と英語が結びつき始めるのは、1991年の成田空港への鉄道アクセス改善と、1994年の関西国際空港開業からではないでしょうか。

当時、高校生だった私は、JR西日本の関空快速や今は廃止になってしまった関空特快ウイングに乗っていたとき、英語の話せる女性乗務員の肉声の英語を聞いて驚いたことや、南海の難波駅の改札でラピートの乗車前に専門の女性スタッフが英語で流暢に対応している場面を見て「すごいな。」と感じたことは記憶に強く残っています。

2000年代からは、外国人観光客の数が徐々に増加し始め、2013年には訪日外国人旅行者数も1000万人を突破しました(図1)。特に2012年からの増加率は著しいものを示していて、2018年には3000万人に達しています。地域別では、特にアジアからの観光客が増加しており、韓国、中国、台湾、香港からの客数が特段に多いというデータもあります。

図1 2003年以降の訪日外国人旅行者数の推移