俳句・短歌 四季 2021.08.05 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第65回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 降る雨に快活に立つ草木くさき哉生きてく糧かてに濃くなる緑 雨模様緑の萌える誕生日生きて行こうと声が聞こえる 秘めやかに紋白蝶が深緑しんりょくの森に舞ってる白い優しさ
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『司法崩壊! ~刑務所が足りない!起訴できない!~』 【第16回】 利根川 尊徳 女性刑務官の3年以内の離職率は38%。公務員の平均離職率5%程のなか男性刑務官のおよそ3倍! それから三日後、里村から娘が会ってみたいと言っていると連絡があり、行きがかり上須崎が二人の見合いをセッティングする事になった。須崎はパソコンで都内のお見合いスポットを検索し、結婚式場を併設し、御自慢の庭園を有する文京区の〇山壮ホテルを見合いの席に選んだ。須崎は見合いのプランを打ち合わせる為、幸村を呼び出した。予めホテルから貰っておいたパンフレットを見せながら「君さえよければ、このホテルの企画、レ…