酒は土地の鏡
体調や気分の良いときに飲む酒の味は格別で、酒は「飲んでも呑まれるな」をいつも実践しています。
結婚した頃は晩酌なし、それから数年後には小瓶1本、それが中瓶、大瓶へと酒量も増えました。
いまでは晩酌は缶ビール1缶と日本酒かワインを少し、外で飲むときは生ビール2杯とお酒少々が適量です。
やはり若いときに比べ酒量が減りました。煙草は禁煙できてもアルコールをやめることは難しいです。
ただ、休肝日や車での外出時にはノンアルコールビールを飲んでいます。
数年前に日本発着便の海外航空会社の機内でノンアルコールビールをリクエストしたら客室乗務員は怪訝な顔をしました。
たぶん日本以外にはこのタイプの飲み物はないようで、ネーミングも日本人らしい発想と思います。
禁煙したのは40歳で、ちょうどたばこ型の禁煙グッズのCMが流行った頃でした。突然に禁煙宣言し、仕事中は口さみしさからよく飴をなめていました。
ある日TVCMを見て、すぐに購入し、それをくわえて仕事をしていると口寂しさもなくなり自然とやめられました。
あまり苦労なく禁煙できたのが実感で、そのため意志が強いと人に言われました。喫煙場所やたばこの価格、そして健康を考えると、いまのご時世はやめるほうが得策です。
お酒は、このところは外で飲む機会がめっきり減りました。以前は仕事関係、同級生、気の合う仲間たちがお相手でした。
ただ嫌いなのは絡み酒やぼやき酒、泣き上戸の人との飲み会ですが、幸いにも周りにはそのような酒癖の悪い人はいませんでした。
そのためいつもハッピーな気持ちでお酒を飲んでいました。
これからも酒に呑まれるなを実践し、愉しくおいしいお酒をたしなみたいと思います。
お酒は嗜好品で、飲む人の好みで、銘柄も自ずと決まります。でもお酒であれば何でも良いという方も世の中にはおられます。
近年は日本酒も一般の清酒と特定名称酒として吟醸や純米酒、本醸造酒が製造販売されています。
また大手酒造メーカーの酒だけでなく、地方の銘酒が簡単に手にはいるようになりました。
地方に出かけたさいに地酒を購入し、口に合うお酒を見つけたときは嬉しいです。
少し前に富山高岡の道の駅で清酒「蔵人の晩酌酒」を購入しました。一升瓶の包装紙が新聞紙で「年に2度だけの限定出荷」と興味あるタグに魅せられて購入しました。
帰宅後さっそく飲むと大変おいしく、製造元を調べようとラベルを見ると大分県臼杵市藤居酒造株式会社とあり、電話をかけると年2回限定出荷のとおり、すでに酒造元は完売でした。
家で日本酒を飲む人が減りましたが「越乃寒梅」や谷崎潤一郎愛飲の「呉春」などブランド力のあるお酒は、人気があって手に入り難いようです。
先日もなかなか入手難の「鷹ノ目」を購入しました。週一度のネット販売のみで、それもすぐに完売です。
コスパのいい日本酒を大量に生産し、大量に消費されていく画一的な日本酒でなく、職人の手で丁寧に造られた高品質な日本酒を消費者に飲んでほしいとの思いから、最高峰の日本酒を開発されたようです。
ほのかな南国の優しいパイナップルのような甘味や、さわやかな酸味に心地良さを感じつつ、オレンジの皮のような軽やかな苦みが全体をまとめるという文学的な表現からメーカーは「ワイン」を意識していると感じました。
確かに飲んでみるとお酒? ワイン? 評価をするには非常に難しく、ただ時間をかけて愛情をもって造られたことが伝わる逸品です。