人間は環境が先

シフト管理も板についてきた入社4年目の頃、エリアマネージャーとして仕事をさせていただくことになりました。7店舗のマネージャーとして私一人で店舗の運営を行っていました。かなりハードワークですが、エリアマネージャーは7店舗を一人で担当するのがワンパターンとなっていました。

このエリアマネージャー時代に、私の会社員人生を大きく変える出来事が発生しました。

ある日、隣のエリアのマネージャーが急な人事異動で海外に転勤することになりました。あまりにも急で、代わりのエリアマネージャーの手配が追いつかず、私は上司から隣のエリアまで担当するよう指示を受けました。ただでさえハードワークなのに、もう1エリア(7店舗)を担当するというのは、とんでもない激務であることが容易に想像できました。毎日7時30分から22時が通常勤務です。多い時は1日16時間働くこともありました。

一人で14店舗を管轄し、各店舗への対応はすべて自分一人がします。その最初の週に新商品の導入がありました。新商品の導入初日は、誰もが作り方に不慣れですから、朝7時頃から各店舗からの問い合わせの電話がかかってきます。電話はなかなか鳴りやまず、30件も立て続けにかかってきたことを今でも覚えています。

新商品の導入日以外も、電話対応だけで午前中が終わることはしょっちゅうありました。私はハードワークに耐え切れず、仕事を辞めることを考えていました。

そんな矢先、キングコングの西野亮廣さんによる「天才は環境が先」という言葉に出合います。

「僕たちのアイデアとか哲学とか運動神経は、環境によって支配されている。鳥は空にいたほうが子孫を残せると考えたから羽を生やした。魚は海中にいたほうが子孫を残せると思うからあの形になった。我々人間もそうで陸に上がった動物も陸に上がったほうが子孫を残せるから陸に上がった。そこで生き延びなくてはいけなくなってしまったから手足みたいなものを生やした。

つまり、才能は極端な環境によって生まれているということです。環境が先にあって、それに合わせるように才能がにょきにょきって伸びている。なぜかというと、僕たち生き物は、生き延びるようにプログラミングされているので極端な環境を与えたら、その中で生き延びるようになんとか動く。それで、羽を生やしたりとか、手足を生やしたりするということです。

つまり極端な才能は極端な環境が作り出している」

ハードワークで仕事を辞めようか考えていた私は、思考の方向を変えてみようと思いました。このような環境での経験は20代の若いうちしかできない。人の2倍の店舗数を同時に担当できるなんて、他の人にはないありがたい環境じゃないかと。

その日からどのようにしたら一人で14店舗をスムーズに回せるようになるかを考えました。