俳句・短歌 四季 2021.06.25 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第59回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 伸びやかに木きの葉膨らみ照り映えて 輝く緑自然が香る 六時過ぎ明るく成った夕暮れに 緑の囲む自然親しむ 晴天日せいてんひ吹き渡る風香かぐわしく 夏の間近な春の楽園
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【最終回】 花田 由美子 「死んだ妹は、息子さんの子を宿していました」遮断機の下、妊婦が倒れていたことに誰も気がつかず、母子ともにそのまま… 【前回の記事を読む】海外出張から帰国した父と、1年ぶりに再会…父には現地の女性との間に子供ができた疑惑があり…二〇一〇年 悌「こんにちは、あの、加藤さんですね、私は孝一さんの友人の鈴木タカコの兄、鈴木ヤスシと申します」高齢女性にしては背の高いシルエットが目的の人だと確信した。玄関わきに咲き誇る紫のシャクヤクのように真っすぐな背筋をしている。自分に目を上げるその顔の、シワの深さもシミの多さも、彼女…
小説 『イエスタデイを少しだけ』 【第8回】 惣才 翼 高校の遠足でバスガイドに歌をむちゃぶりすると、「まずは座高の高いあなたから歌っていただきましょう。」と悪口で返され… 【前回の記事を読む】「おまえら、有り金全部持って来たじゃろうの」借りていた金を全部返すとやってきた友人。麻雀が出来るやつを二人呼べと言われたが…アクシデントは一荘 (いーちゃん)目に起こった。初心者の特性として、平和(ぴんふ)よりも対対(といとい)に走った恭平が親の二巡目。上原から出た中(ちゅん)をポンし、十巡目辺りに葵(あお)をポンした時、三人が一斉に声をあげた。「おい、誰や、誰が白を持っとる…