俳句・短歌 四季 2021.06.18 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第58回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 晴れ間射し気温は夏日に上がるけど 風は清涼薄雲の保護 温み有る清すがしい風と霞かすみ空 ピュアな心が噴ふき出して来る 生活の周囲環境緑化され 日々に新鮮空気美味おいしい
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【カフカの名作を大阪弁で!?】「グレゴール!まだ家におったんかいな。 どないしてん?」名前を呼ばれて答える自分の声にギョッ!? それに列車に追いついたところで社長の大目玉は避けられん。なんせ使用人が五時の列車に合わせて待っとってグレゴールの遅刻をとうにチクっとるわけやから。こいつは社長のお気に入りやった、性根も頭もないくせに。それか、病気や言うたらどないか? いやいやこれほどカッコ悪うて怪しい言いわけもなかろう、グレゴールは五年勤める間病気になったためしがない。社長が健康保険組合の医者を連れて来て、両親をグータラ息子のこ…
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第6回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【大阪弁で「変身」】グレゴールはじりじりとドアに近づき──歯というもんはないらしく…そんなんでどうやって鍵をくわえたらええのやら? 最初は何べんかツルツルのタンスから滑り落ちたものの、ついに一回弾みをつけて体を起こした。体の下側が火でもついたように痛かったけどもはや気にもとめなんだ。手近な椅子の背もたれに倒れかかってそのふちに脚でしっかりしがみついた。そうやってグレゴールは我に返って口をつぐんだ。支配人の言葉が聞こえてきたからやった。「一言でも分かりましたか?」支配人が両親に尋ねた。「私らをおちょくっとんちゃいますやろな?」…