サポート

医学辞典やこの本だけで、アッキーママの双極性障害を理解することは難しそうだ。

ひまりには直接、面と向かっては言えないが、厳しい現実を叩きつけられたアッキーであった。そんなアッキーをよそに、今度は

「ここに周囲の人のサポートが書いてあるよ」

とひまり。

「何か私たちにできることってあるのかな~?」

そこにはこのように書かれていた。

周囲の人はどのようにサポートすればいいでしょうか?

躁状態の時には、患者さんは気持ちが高ぶっていて、自分が偉くなったように感じているので、普段は大切に思っている家族や周囲の人に対して、尊大な態度を取ったり、激しく罵倒したりすることもあります。

ひどいことを言われて悲しくなったり、腹が立ったりするのは当然のことですが、躁状態が治れば、普段のその人にまた戻りますので、ひどいことを言われても、その人の人格ではなく、「病気」が言わせているのだと考えて、いつものその人に戻れるように、サポートすることが大切です。

また、患者さんにとってはうつ状態が一番辛いものであり、患者さんは躁状態を軽く考える傾向があります。

一方、家族にとっては、躁状態が一番心配なので、家族はうつ状態を軽く考える傾向があります。このように、家族と本人の間では、考え方にギャップがあって当然だと考えた方が良いでしょう。

患者さんの症状によって、家族が感情的となり、家庭内のいざこざがストレスになって、また再発を繰り返す、という悪循環を防ぐためにも、よく話し合って、お互いに理解を深めることが大切です。

特に、躁状態の初期徴候については、事前によく本人と話し合っておき、躁状態の前兆が出てきた時には、早めに病院にかかることによって、激しい再発に進展する前に対処することができます。

この病気は、症状が現れるのは患者さん一人でも、家族全体に大きな影響を与えます。家族全員にとっての課題と考え、協力して取り組むことによって、乗り越えていくことができるのです。

公益社団法人日本精神神経学会資料(加藤忠史理化学研究所)

「家族で協力すれば乗り越えていくことができる……か」

ほんの少しだけだが、前向きに考えられそうな気がしたアッキーであった。

図書館の休館日

「えっ、何で図書館開いていないんだ?」

「ほんとだ、なんでだろう?」