俳句・短歌 短歌 自由律 2021.04.03 句集「愛のままで咲く」より三句 愛のままで咲く 【第36回】 馬場 美那子 “こぼれる愛 からめた指の すき間から” 十七音に込められた、愛と感謝の川柳句集 母へ、恋しい君へ、愛犬へ、かけがえのない日常へ。やさしく、時に激しい愛の詩。 5章からなる川柳句集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 後家相やホレる男は短命で 恋の句はもう飽きたナァ冬の滝 大ゲンカするのも恋の通過点
エッセイ 『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』 【最終回】 市川 友子 殺し屋の看護師たちが私にのしかかっていた。とうとう腰の骨を折られて殺されると覚悟した。 幻覚と現実の交差注射器で毒を打たれそうになり、私は打たれまいと速い呼吸を繰り返していた。「落ち着いて、深呼吸して、ゆっくりと」看護師さんの顔が目の前に見えた。点滴の針を取り替えているところだ。それなのに殺人鬼扱いされたのでは、看護師さんもたまったものではない。私はラジオ局に助けを求めた。病院に監禁されている私と家族を助け出してくれと訴えた。しばらくすると大勢の人が病院を取り囲み、何人かが病院に侵…
小説 『薄紅色のいのちを抱いて』 【第10回】 野元 正 夫が帰って来やすい依り代を盛大に作ろうと初盆は盆棚を大紅しだれ桜の樹の下に。灯明を点し迎え火の煙の中に… 【前回の記事を読む】95歳まで生きたばあちゃんの「元気の源」それは…エレベーターで20代の若い男と乗り合わせると「キスしようよ」って誘うこと「地球は青かった」と宇宙飛行士は言ったけれど、今は見せかけの青い景色のような気がする。地球に送られてくる写真データはすべて青いフイルターをかけることを義務づけられているのではないか。青い星は豊かな水の存在を表している。昔から人は枯渇する水を求めて争ってきた。…