第3の機会 ニーズを見つける
新製品を作り出すだけでなく、新しい消費者やニーズに気づくことがイノベーションの第一歩です。
第4の機会 産業構造の変化を知る
自動車産業が良い例です。第一の波は20世紀の初頭に訪れました。
自動車はかつてのような金持ちの贅沢品ではなくなり、大衆に広まりつつありました。フォードの「Tフォード」はこの産業構造の変化を利用したものです。第二の波は1960年代から80年代にかけてやってきました。自動車メーカーはそれまでの自国市場独占型の戦略を捨て、グローバル戦略に切り替える必要がありました。この動きに真っ先に乗じたのが日本の自動車メーカーでした。GMは日本のメーカーに後れを取ったものの、グローバル企業になる決意をしましたが、クライスラーは完全に乗り遅れました。
第5の機会 人口構造の変化に着目する
人口の増減や年齢構成、雇用や教育水準、所得などの人口構造の変化は明白です。人口構造の変化は突然訪れるものであるかのように認識されています。しかし、20年後に労働力人口に加わる人々は既に生まれています。人口構造の変化が生じるまでには、予測可能なリードタイムが存在します。
第6の機会 認識の変化を捉える
コップに「半分入っている」と捉えるか「半分空である」と捉えるかは全く違います。したがって、取るべき行動も違います。かつて食事の仕方は所得階層によって決まっていました。一般人は質素な食事をし、金持ちは豪華な食事をしました。しかし現在は、一般人が質素な食事もすれば豪華な食事もします。
第7の機会 新しい知識を活用する
一般にイノベーションと呼ばれるものです。起業家精神のスーパースターと言えます。成功すれば有名になれるし、金持ちにもなれます。
しかし、最も成功が難しいのもこのイノベーションです。知識によるイノベーションは、実を結ぶまでのリードタイムの長さ、失敗の確率、不確実性、付随する問題が他のイノベーションとは全く異なります。知識によるイノベーションのリードタイムはおおよそ30年と言われます。
Googleの執行役員の杉原氏は東京大学での講演の中でイノベーションには3つのBが必要と主張されました。イノベーションを生むには、世界の大きな問題(Big question)を取り扱い、問題を解決に導き(Break through)、そしてそれがすべての人に役に立つもの(Build for everyone)でなければなりません。さらにイノベーションを持続可能なものとするには利益を上げるシステムでなければなりません。