俳句・短歌 短歌 2021.03.15 歌集「祈り」より三首 歌集 祈り 【第16回】 佐藤 彰子 ―ああだから月はみんなに愛されるんだ自分ひとりを見てる気がする― 夜明けに人知れずそっと咲く花のように、 それでいいんだよ、と許してくれるような、 自分のかわりに、幸せを願ってくれるような。 心に灯りをともす、優しくあたたかな短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 「人間」の二文字つくづく見つめたり共に逝く人ネットに募る この夜の四角い部屋に苛められ自死せし子らの魂集う 「愛しくて愛しくって」と言ってごらん自分を苛めちゃ可哀想です
小説 『毎度、天国飯店です』 【第6回】 竹村 和貢 サークル勧誘チラシの前で、『徒然草』を抱えた美人と出会った…。 天国飯店の定休日は毎週火曜日。アルバイト生四人で、月曜から土曜の間の五営業日を分担する。四人のうち誰か一人が二営業日に入る。その者以外の三人のうちの一人が日曜日に店に入る。日曜日は大学が休みなので、朝の十時から閉店の午後九時まで十一時間店に入ることになる。「ほな、俺、明日もバイトやさかい、おっちゃんに自分のこと話してみるわ。多分、おっちゃんも構へん言わはる思うねんけど」夏生は、「できない」とは思…
小説 『ハロー、わたし!』 【新連載】 澤 幸希 クリスマスイブ。一緒に過ごす彼女もなく、予定のない僕に母親からある頼み事をされ… 「どうして小説を書きたいの?」友人に必ず聞かれる質問です。幼い頃体調を崩しがちだった私は読書が大好き。一番好きな本はジーン・ウェブスターの『あしながおじさん』。主人公ジルーシャの屈託のない口調で語られるストーリーを読むたびに元気を貰いました。ロマンス小説にも共通する魅力がある、と翻訳を通じて気が付きました。純文学でも硬派な社会派の小説でもない、童話のようなサクセスストーリーは意外なパワーを持って…