ああはやく肩甲骨に生えてこい 眠りの森へ飛び立つ翼
まなうらに「君」と名付けし欅樹を 顕たせて眠る病棟の夜
枕元のティッシュボックスに短歌記す 河野裕子のしていたように
※本記事は、2015年3月刊行の書籍『歌集 祈り』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 祈り【第24回】
―ああだから月はみんなに愛されるんだ自分ひとりを見てる気がする―
夜明けに人知れずそっと咲く花のように、
それでいいんだよ、と許してくれるような、
自分のかわりに、幸せを願ってくれるような。
心に灯りをともす、優しくあたたかな短歌を連載にてお届けします。
ああはやく肩甲骨に生えてこい 眠りの森へ飛び立つ翼
まなうらに「君」と名付けし欅樹を 顕たせて眠る病棟の夜
枕元のティッシュボックスに短歌記す 河野裕子のしていたように