ああはやく肩甲骨に生えてこい 眠りの森へ飛び立つ翼

まなうらに「君」と名付けし欅樹を たせて眠る病棟の夜

枕元のティッシュボックスに短歌うた記す 河野裕子のしていたように

※本記事は、2015年3月刊行の書籍『歌集 祈り』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。