知らん振りしてる乗客さっきから霊峰富士が窓を覗くに
ほろ酔いで行く境内にほろ酔いの顔した羅漢の一群に会う
愛したる女を想うこともあろう羅漢となりて久しき今も
※本記事は、2015年3月刊行の書籍『歌集 祈り』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 祈り【第15回】
―ああだから月はみんなに愛されるんだ自分ひとりを見てる気がする―
夜明けに人知れずそっと咲く花のように、
それでいいんだよ、と許してくれるような、
自分のかわりに、幸せを願ってくれるような。
心に灯りをともす、優しくあたたかな短歌を連載にてお届けします。
知らん振りしてる乗客さっきから霊峰富士が窓を覗くに
ほろ酔いで行く境内にほろ酔いの顔した羅漢の一群に会う
愛したる女を想うこともあろう羅漢となりて久しき今も