俳句・短歌 四季 2021.03.11 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第12回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 著者・上條草雨の歌集 「漣の夢」より、毎回3首ずつ連載形式で紹介します。 夜に成り暗い巷ちまたを濡らし行き 心も洗う春雨はるさめの水 園庭えんていに赤紫あかむらさきの花開き 躑躅つつじ集団幸福に咲く 夕景色ゆうけしき平安湛たたえ目を飾り オレンジ色に輝く美徳
エッセイ 『一人十色』 【第5回】 イドゥルギ ヒロ,イドゥルギ ヒロ 「お父さん、大丈夫だと思うけど、ある程度の覚悟はしておきなさい」――震災後2週間たっても親の迎えがない息子に、先生は現実を… 【前回記事を読む】やっとの思いで到着した家は一階が津波の被害で泥や大木で覆われている。息子はそこには居なかった三日後に中学校に行ってみると、水はまだ周囲を覆っているが、比較的校舎には入りやすくなっている。職員室前の掲示板の前で数日振りに息子と出会えた。息子は何でもない様子だったが、私の方は号泣してしまった。最後に人前で号泣したのは何年前だろう。学校側も最後の避難生徒が親に迎えに来てもらって安堵し…
小説 『本音と建前の王国』 【第3回】 西田 嘉之 (タプタプタプ)いつか触ってみたい……と思っていた、おじさんの下アゴのたるみを揺るがしてみた 【前回の記事を読む】「だんだん、この国の雲行きが、あやしくなってきた」どう生きていけばいいのか...大人が子どもに学ぶべき素朴さとは?兎岳の高地には、兎さんたちの好きな植物はなく、兎は見かけない。天敵から身を守るハイマツの王国なので、雷鳥さんがすみかに使っている。西洋では、雷鳥をディナーコースで食べちゃうようだ。日本では、雷様の使いとして、昔から大事にしている。そのため、日本の雷鳥さんは、人間が…