俳句・短歌 四季 2021.03.11 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第12回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 著者・上條草雨の歌集 「漣の夢」より、毎回3首ずつ連載形式で紹介します。 夜に成り暗い巷ちまたを濡らし行き 心も洗う春雨はるさめの水 園庭えんていに赤紫あかむらさきの花開き 躑躅つつじ集団幸福に咲く 夕景色ゆうけしき平安湛たたえ目を飾り オレンジ色に輝く美徳
小説 『記憶のなかで生きる』 【第19回】 厚切りゆかり 母を火葬した。骨壺を抱えて帰宅したとき、家は静まり返っていた。母の部屋に骨壺を置き「しばらくはここで一緒に暮らそう」と伝えた。 【前回記事を読む】「これ以上の延命は苦しめるだけ」と医師に言われ、横たわる母の手を握りながら「お母さん、どうしたい?」と問いかけた。母を火葬した。骨壺を抱えて帰宅したとき、家は静まり返っていた。「ただいま」誰も答えない。「お母さん、帰ってきたよ」誰も答えない。当たり前のことなのに、その静寂が胸を締め付けた。私は母の部屋に骨壺を置いた。遺影を並べ、花を飾った。「お母さん、ここにいてね。しばらくは、…
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[イチオシ連載ピックアップ]』 【第27回】 武 きき 愛妻家のはずの夫が初めて朝帰り。「ごめん、これ見て」と見せられた動画には、ホテルでされるがままの夫と、若い女が… 【前回記事を読む】元カノに触った手で触れられるのが嫌で、夫の手を振り払ってしまった。帰宅後、ドアを閉めると同時に激しくキスされ…今井さん編月曜日。「社長、サンジー建設の大崎様がいらっしゃいました」「サンジー建設の大崎さん? あぁ、先週の彼だな。いいよ、お通しして」「先週は本当にすみませんでした。恥ずかしくて迷ったのですが、お顔を見てお詫びをしたかったのです」「わざわざありがとう。大丈夫だよ。妻に…