俳句・短歌 四季 2021.02.18 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第9回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 青柴に黄色の野花美しく 可憐に咲いて涙一粒 暖かな春の日和に親と子に 眼差しが行く猫の戯れ 吹く風の清々しさと爽やかさ 初夏香り出す江南の春
小説 『東京フェイクLove♡』 【第3回】 川田 レイ 「今度一緒に行きませんか?」施術後、ハイスぺイケメンセラピストからデートの誘い。こんな超年上の私を…? 【前回の記事を読む】下着を脱ぐことは考えてなかった…身体を重ねるような体位もあり、まるで恋人から受ける親密な密着マッサージだった。「パラダイスアロマの仕事が、本業なんですか?」「いいえ、大学院を卒業したばかりで、4月から都内の外資系IT企業にITエンジニアとして、就職する予定です」「はあ、凄い。大学院卒業の理系でITエンジニアさんになるんだ……」「はい。でもここも副業として、当分勤める予定ですの…
小説 『寂しがり屋の森』 【第8回】 村松 凪 何か来る…絶対的な気配。台所の方でペタ、ペタ、と床に足が張り付く音。昔ながらのガラスの引き戸に、小さな手の影が… 【前回の記事を読む】十歳に満たないくらいの男の子…幽霊だ。喉が、ひゅっと鳴った。――その時「あははは」幽霊が笑い、天使のような顔で…マジメは、何も恐れていない様子で、ずかずかと家に入っていく。そして、さっき手の影がいくつも現れたガラスの引き戸のそばで足を止めた。「あ」そう声を漏らしたマジメの背中に隠れ、恐る恐る様子を窺うと、十歳に満たないくらいの男の子が、和室の隅に立っているのが見えた。幽霊だ。…