常夏
ここは病院ではあるが常夏(とこなつ)ハワイアンズなのだろうか? バカンスに来た訳ではないからアッキーママはどんよりとするしかなかった。大滝ナースが、
「アッキーママ、ニュースよ、ニュース。アッキーママはこれから特別室に移動よ」
「移動ですか? どんな部屋ですか? 日当たりの良い静かな部屋がいいです」
「ピンポン、極上のお部屋をお取りしてきましたよ。七〇七号室、ラッキーセブンが二つもあるわね、そして角部屋よ。予約してもなかなか入れないのよ。アッキーママって本当に運を招き寄せるみたいね、羨ましいわ」
「羨ましいですかぁ~、私は運を招き寄せてるなら病気になってないと思います。早く病気が治って自由になりたいです。はぁ~、でも七〇七号室って良い響きですね」
「そうでしょう、そうでしょう。とても静かな一番奥の部屋よ、さあ、移動しましょう」
アッキーママが移動の支度をしようと立ち上がると、大滝ナースは、
「そのままでいいから、スーツケースはベッドの足元に置いてね。サイドテーブルは七〇七号室に新しい物があるわ。さあ、アッキーママはベットに座っていていいのよ、そのままで。エレベーターで行くわよ」