当方は日野頌三会長、井上清成顧問と筆者の3名である。医療安全推進室長と補佐の態度は、高飛車な、木で鼻をくくるような応対であった。医療安全推進室長は医系技官であり、補佐も法令系ではないことがわかった。

厚労省の方針は数日前に共同通信によりリークされている。このままでは埒が明かないと判断し、筆者は、方針を変更した。

「病院団体合意を無視する気か!」

いきなり、部屋中に響き渡るような大声で怒鳴ったのである。そのまま、大声でまくしたてた。相手が慌てて困惑しているのが手に取るようにわかった。すると態度が一変し「大声を出さないでください」「まだ、何も決まったわけではありません」「検討会もまだ日程が残っていますので」等々の発言があり、まだ検討過程であり、決まったわけではないという発言で、とりあえず厚労省を辞去した。

怒鳴り続けている間、面談コーナーにはだれも入って来なかった。おそらく、筆者には取扱い注意のレッテルが貼られたことであろう。

実は、もう一回怒鳴っている。それは7月29日、日本医療法人協会会議室でのことである。総務課長が交替し、新任の総務課長、医療安全推進室長と意見交換したときである。このときも、医療安全推進室長を怒鳴ったのである。

医療安全推進室長は、ただちに応戦しようとした。横で黙るようにと総務課長が抑えているのがよくわかった。

この2回の会議は非常に有意義であった。医療安全推進室長の性格も把握できた。新任の総務課長が話の通じる相手であることもわかったのである。(誤解なきように追記しておくが、医療安全推進室長と対立し続けたのではない。この後、鹿児島での講演、事前打ち合わせ等、意見交換する良好な関係となった)

5月15日の医療安全推進室長との面談により、厚労省の方向性に一定の感触を得た。やはり想定した通り、医療安全推進室長は強引に、急いでとりまとめに動いてきた。