俳句・短歌 四季 2021.01.21 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第5回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 足元に小さな緑若草が 萌えて遠くで野鳥鳴いてる 何処見ても今を装い鮮やかに 明日に向かって咲いている花 庭の木々風に揺られて青葉揺れ 雲陰淡く夕陽輝く
エッセイ 『Re:start[人気連載ピックアップ]』 【第10回】 森 亜美 服も体も、真っ黒こげで病院に運ばれた私。「あれが奥さんです」と告げられた夫は、私が誰なのか判断がつかなかった 【前回の記事を読む】信号無視の車が突っ込み、乗っていた車が炎上。後部座席にいた娘だけが救出された事故後すぐに私は、ドクターヘリで火傷治療に強いと言われる某大学病院の救急救命の集中治療室(EICU)に搬送されました。もう1人の方は救急車で別の病院へ運ばれたと聞きました。ぶつかる瞬間の記憶は全てなく、今でも事故前後のことは思い出せません。着ていた服はまっ黒焦げになっていたみたいで、頭も火傷していた為…
小説 『タケル』 【第9回】 中村 東樹 少女たちを追い詰める大猪の猛進――絶体絶命のその瞬間、前に現れたのはひとりの若者だった 【前回の記事を読む】幼なじみと共に機殿へ奉職したフタジ。最初の仕事は、和妙(にぎたえ)の製作に携わることであった…あの一本の細い糸からとても美しい織物が出来上がることに、フタジは喜びと誇りを感じていた。昔から伝わる機織りを自分がしっかり受け継ぐことができる喜びであった。十日間交代で五人の織子たちは和妙を織り続けた。そして見事な布が出来上がったのである。斎宮の倭姫 (やまとひめ)は、出来上がった絹…