俳句・短歌 四季 2021.01.21 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第5回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 足元に小さな緑若草が 萌えて遠くで野鳥鳴いてる 何処見ても今を装い鮮やかに 明日に向かって咲いている花 庭の木々風に揺られて青葉揺れ 雲陰淡く夕陽輝く
小説 『終恋 [人気連載ピックアップ]』 【第10回】 高生 椰子 「ええやん、妊娠せえへんから」…初めての経験は、生理中に終わった。――彼は茶道部室に私を連れ込み、中から鍵を閉め… 【前回の記事を読む】賞味期限切れ、長い間バージンロード、下腹ポッコリ、垂れた貧乳…そんな私に元カレが「あなたの懐かしい温かさを感じたい」二人の大人への階段、第1段階はこのようにクリアした。それから二人は何度も第1段階を繰り返し練習した。さて、次はどうするのか、きっと彼はアダルト雑誌か何かを買って勉強したに違いない。それは第1段階のテクニックがどんどん上達していったから、私は彼に練習台にされている…
小説 『虹色の魂』 【最終回】 青居 蒼空 「どうして戦争なんかしちゃったのかなあ?」子どもだというのに涙も流さず淡々と話す様子を見て、僕の目からは涙が溢れていた 【前回の記事を読む】「おじさん、家が見つからないんだ」――家族の名前を叫ぶもの、絶望して道に横たわるもの。皆一瞬にして家族も家も失っていた垢や煤(すす)で汚れた真っ黒な顔、その中にあるまだ幼い二人のつぶらな瞳を見ていると、涙が止めどもなく流れた。「ごめんな、ごめんな」戦争に加担し負けて、この子たちを路頭に迷わせた罪悪感に、胸が押しつぶされそうになる。気づけば二人の前に跪(ひざまず)き、何度も頭を…