俳句・短歌 四季 2021.01.14 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第4回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 紫に黄色パンジー地の上を 花園に染め慕わしく咲く 午後の雨恵み注いで陰の美に 花も草木も萌え映えている 清涼に優しく吹いてそよ風が 愛を囁きうなじを過ぎた
小説 『超能力探偵 河原賽子』 【第41回】 春山 大樹 私に会いに上京したはずの母。しかし、位置情報が示したのは板橋区の民家…そこは末期患者のための治療院だった。 【前回の記事を読む】「母は相当ひどい状態」と聞き、久しぶりに上京した母に「健康だよね?」と聞いた。すると、しばしの沈黙をはさみ…翌日、麻利衣は事務所のソファで足を組んでコーヒーを啜っていた賽子の前に右手の握り拳を固めていきなり立ちはだかった。「何だ、そのしかめ面は。腹でも痛いのか」麻利衣が拳を賽子に向けて突き出し、手首を回して掌を開くとそこには1個のサイコロが握られていた。「やはり私はあなたの超…
小説 『ホームランとフォーマルハウト』 【第16回】 福原 道人 「幽霊でもいいから、この手に抱かせてくれ」孫を事故で失った老人が、会って2回目の女性に語っているうちに表情が変わり始め… 【前回の記事を読む】「実は、もう孫はおらん…息子夫婦とともに逝っちまいました」おじいさんに真実を言わせてしまった。噂は本当だったんだ。「孫は、息子に似て引っ込み思案でして、身体も弱く、赤ん坊の頃からよく熱を出す子でした――」わたしは困惑した。会って二回目の、それも縁の浅い相手に打ち明ける内容じゃない。だからと言って、今さら止めろとも言いにくいし、耳を塞ぐわけにもいかない。「仲の良い子もおらず、ず…