冬さえもホテルのまはりの芝原の 萌えて小鳥の一日(ひとひ)をいこふ
根元まで津波押し寄せ耐へし松 畑の中に枝葉ひろげる
*一七七一年、琉球列島を襲った明和の大津波。推定マグニチュード七・四~八・〇。高さ四十メートルの大津波が小浜島を襲った。
遠つ代の津波の惨禍語りつぐ 島の人家はみな丘に建つ
【小浜島(こはまじま)】
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
冬さえもホテルのまはりの芝原の 萌えて小鳥の一日(ひとひ)をいこふ
根元まで津波押し寄せ耐へし松 畑の中に枝葉ひろげる
*一七七一年、琉球列島を襲った明和の大津波。推定マグニチュード七・四~八・〇。高さ四十メートルの大津波が小浜島を襲った。
遠つ代の津波の惨禍語りつぐ 島の人家はみな丘に建つ
【小浜島(こはまじま)】