だから部活は別にして基本一人でいることが多く、それがまったく苦ではなかった。だがそれが何らかの力で変わってきて、せっかくの新天地だから今ここで孤立したくないなと思うようになっていた。というより、気の合う友達はほしいし、あわよくば彼女ができれば、などという自分がいるのだ。まったくもって矛盾を抱える面倒くさいヒトになってしまった。

まあとにかく大学生にもなったから、いくらなんでも少しくらい積極的、社交的にならないとなあと、風呂に浸かりながら考えていた。入試というビッグバンが起き、この二週間でクラス内でもチリヂリになった小さな星が合わさって、大きな星になろうとしていた。

見まわすと、元気な明るい星、真面目な勉学の星、マニアックな不思議系の星、など大小さまざまなグループができ始めている。僕自身いくら積極的に、社交的になるなどと考えても、やはりそこは長い間持ち合わせている性格なのだ。風呂で妄想していた通り、そう簡単に行動と結果に表れるはずはない。まるでなんのよりどころもなくさまよう彗星のごとく、クラスの中を漂っていた。