ひまりの言葉に返事をせずに、ただただ笑っている田畑さんであった。
それから、アッキーとひまりは『デイケア』の聞きなれない言葉が気になった。なんなのだろう、まったく聞いた事が無かった。すると、それを察して、
「デイケアって、聞きなれない言葉だよね。無理もないよ。僕だって病気になる前は知らなかったんだよ」
「初めて聞きました。お年寄りのデイサービスなら聞いた事があります」
ひまりは、ぽそっと答えた。
すると田畑さんは、近くにパンフレットがあるので待っててねと言って薄い黄色のパンフレットをひまりに手渡したのだった。そして、
「あとで読むといいよ。説明が書いてあるから。知らなくて当たり前だし気にしなくていいよ。難しくて理解しにくいもんだよな」
田畑さんは煙草を吸って来るから、少しここで待っててねの言葉を残して喫煙ブースの方へ行ってしまった。
アッキーとひまりはその薄い黄色のパンフレットをのぞき込んだ。ひまりに渡されたそのパンフレットをひまりはアッキーの膝の上にわざとらしく置くと声には出さずに文字たちを追いかけ始めた。もちろんアッキーも興味があったので一緒に読むことにした。