第2章 人類滅亡のリスクと回避

B 人為災害による人類の滅亡 

1 地球生態系の破壊及び資源の枯渇

4.海洋生物資源の枯渇

海は広く大きく無尽蔵の海水を湛えていて、其処に生息する魚類を含む海洋生物も又無尽蔵であるという認識は幻想にすぎません。前述のとおり、海は地球の表面にありその直径の1,300分の1以下の薄く儚い存在にすぎませんから、その中に棲息する海洋生物も有限であり、乱獲により取りつくしますと絶滅し枯渇することは言う迄もありません。

しかし、気を付けねばならないことは、絶滅は取りつくすより遥か前に到来するということです。

なぜなら、生態系は、全ての生物と環境の微妙な関係の上に成立している1つの脆弱な平衡状態にあるものですから、この関係に修復できない変化が生じますと基本的には簡単に崩壊するからです。

従って、大切なことは、海洋生物に採取するという負荷をかけても、それが修復できない変化を誘導することのないように、負荷の自然回復が可能である限界迄しか採取できないことになります。

その限界を知ることと、その知識に基づく計画に沿った採取でなければならないことになります。