冴えざえと白さざんかは咲きはじむ 日は衰へて冬に入る朝
蔓は枯れてつらなる赤き烏瓜 いのちの果てをかがやかせゐる
ふとぶとと白き肌への大根は 身をせり出して雪の日を待つ
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
冴えざえと白さざんかは咲きはじむ 日は衰へて冬に入る朝
蔓は枯れてつらなる赤き烏瓜 いのちの果てをかがやかせゐる
ふとぶとと白き肌への大根は 身をせり出して雪の日を待つ