俳句・短歌 短歌 2020.11.15 歌集「祈り」より三首 歌集 祈り 【第4回】 佐藤 彰子 ―ああだから月はみんなに愛されるんだ自分ひとりを見てる気がする― 夜明けに人知れずそっと咲く花のように、 それでいいんだよ、と許してくれるような、 自分のかわりに、幸せを願ってくれるような。 心に灯りをともす、優しくあたたかな短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 私には母が居るまだ居てくれる月がきれいよ見なさいと言う 真夜覚めし瞬間われを病院のベッドの上の母と思えり 病む母を思う夕暮れベランダに一羽の鳩が水呑みに来る
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【新連載】 春山 大樹 赤信号無視の乗用車が、トラックに衝突し大破した。シートベルトをしていなかった重症の若者が搬送された、その病院の医師は… けたたましいサイレンの音が鳴り響いている。そしてその音は嫌な気持ちになる程どんどん大きくなってきて、すぐそこまでやってきたと思ったら突然聞こえなくなった。ERの自動ドアが開いて救急車から下ろしたストレッチャーを白いヘルメットと青いコートを身に着けた二人の救急隊員が中に運び入れた。ストレッチャーの上で、頸椎カラーを装着され、オレンジ色のクッションで頭部をバックボードに固定された若い男が苦しそうに冷…
小説 『雲海のエガミ』 【第20回】 こた 倒れている老人を助けたところ、「優しくしてくれたお礼に…」とあるものを渡され、そのあと老人は息を引き取った 一方、ラ・エンカは、大幻透視師ミヤンから教わったエデンの花の生息地に向け旅を続けていた。エデンの花は開眼の実と言う名の実が生り、その実を食べると知りたい情報を頭の中で見る事が出来た。エデンの花の生息地は毎年変わり、見付けるのが困難の為、幻の花と言われていた。一説では、エデンの花が咲く上空には、記憶の森があり、その中心に在ると言われるクレアーレの泉から滴り落ちた水からエデンの花が出来るのではと噂さ…