私には母が居るまだ居てくれる月がきれいよ見なさいと言う
真夜覚めし瞬間われを病院のベッドの上の母と思えり
病む母を思う夕暮れベランダに一羽の鳩が水呑みに来る
―ああだから月はみんなに愛されるんだ自分ひとりを見てる気がする―
夜明けに人知れずそっと咲く花のように、
それでいいんだよ、と許してくれるような、
自分のかわりに、幸せを願ってくれるような。
心に灯りをともす、優しくあたたかな短歌を連載にてお届けします。
私には母が居るまだ居てくれる月がきれいよ見なさいと言う
真夜覚めし瞬間われを病院のベッドの上の母と思えり
病む母を思う夕暮れベランダに一羽の鳩が水呑みに来る