高齢者では皮膚のビタミンD産生とビタミンD貯蔵量が減少する

高齢者の皮膚のビタミンD産生とビタミンD貯蔵量は加齢とともに減少します。高齢者の皮膚は、若年者に比べて薄くなり、ビタミンDの合成に必要な7-デヒドロコレステロールの濃度が減少する(70歳では若者の約25%)ため、皮膚におけるビタミンD合成能は、75%低下しています。

皮膚のビタミンD産生低下は冬に最も顕著になります。また、高齢介護施設などで外に出ず、屋内にずっといる高齢者は、血清ビタミンD欠乏の程度が強くなると考えられます。

窓越しの日光には、紫外線があまり含まれていません。高齢介護施設においても、日光浴をする設備や時間帯を設けることが理想です。可能であれば、血清ビタミンD値を測定し、日光浴をさせたり、食事やサプリメントで補っていくことが現実的です。

高齢者は、COVID-19のハイリスク群となっていますが、血清ビタミンD低下もその大きな要因の1つと考えられます。高齢者に多いがん、関節リウマチ、アルツハイマー病などの発症の背景にも、血清ビタミンD低下が関与している可能性があります。

ビタミンDの補充の行い方

ビタミンDの補充については、UpToDateでは、COVID-19対策として、1日あたり600~1,000国際単位の摂取が推奨されています。しかし、当院の経験では、1日あたり1,000国際単位では、目標の血清ビタミンD値30ng/mL以上には到達しない例がほとんどです。

2,000国際単位程度は必要であることが普通です。日光をどのくらい浴びているかについても左右されますので、血清ビタミンD値を見ながら摂取量を決めることが必要です。

ビタミンD3補給の誤用は、ビタミンD中毒を引き起こす

ビタミンD3(サプリメントまたは製剤)補給の誤用は、まれにビタミンD中毒を引き起こし、高カルシウム血症や腎臓、心臓、神経系の問題を引き起こす可能性があります。一方、日光への過度な曝露によるビタミンD中毒のリスクはありません。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

👉『自然から離れると人は萎れる』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】「特養」「老健」「サ高住」の違い、説明できますか? 医師がまとめた介護施設の種類と費用

【注目記事】寝室にクローゼットがある人は要注意。防虫剤を使っている部屋で寝てはいけない理由とは…

 

ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp