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その2 ビタミンD

ビタミンD欠乏がもたらす体への悪影響

ここからは、ビタミンDの欠乏がもたらす重大な健康への悪影響について述べていきたいと思います。ビタミンDは、生物学的機能に関与する非常に重要な栄養素であり、その働きや効能は非常に多岐にわたります。したがって不足した際には体にさまざまな悪影響を及ぼします。

1.骨粗鬆症

活性型ビタミンDの代表的な働きは、小腸や腎臓におけるカルシウムとリンの吸収促進です。ビタミンDが欠乏すると、小児では、クル病や骨軟化症のリスクが高まり、成人(特に高齢者)では、骨粗鬆症、骨折のリスクが増加します。

血清25(OH)Dレベルが12ng/mL未満(ビタミンD欠乏症)の患者は、骨軟化症を発症するリスクがあります。いくつかのメタアナリシスにより、ビタミンDとカルシウムの補給によって高齢者の骨粗鬆症性骨折のリスクが減少することが示されています。

2.O脚

小児に時折見られるO脚も、ビタミンD不足が原因であることが、順天堂大学の坂本らによって明らかにされています。

3.死亡率との関連

北米と欧州の白人が大部分を占める集団を対象とした疫学調査では、血清中の25(OH)Dレベルが正常値よりも低い(特に10~20ng/mL)と死亡率が高くなることが示唆されています。

4.感染症のリスク

ビタミンDは、獲得免疫系の活性化は抑制しますが、自然免疫系、特に単球とマクロファージを活性化します。カテリシジンなどの抗菌タンパク質の発現が増加し、細胞内病原体(結核・ウイルス)に対する防御能が高まります。

免疫に関連する微量栄養素の中で、ビタミンD、レチノール(ビタミンA誘導体)、ビタミンC、セレン、亜鉛は、特に重要とされています。レチノイドX受容体(レチノールの受容体)は、ビタミンD受容体とヘテロダイマーを形成しており、免疫系に対しビタミンAとDは密接に関連しています。

弱毒化インフルエンザウイルスワクチンを免疫したマウスモデルにおいて、ビタミンDとビタミンAの両方の欠乏は、どちらか1つの欠乏より、気道における抗体反応が低下していました。抗体反応の回復にはビタミン Aの補充がビタミンDの補充よりも大きな補正効果を示しましたが、最良の結果は2つを併用した場合でした。

系統的レビューとメタ分析によると、ビタミンDは急性呼吸器感染症に対し、有意な予防効果を示しました(オッズ比、0.64)。