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その2 ビタミンD

血清ビタミンDの望ましい値

さまざまなガイドラインに基づき、骨の健康のための血清ビタミンD[25(OH)D]の閾値(いきち) は20~30ng/mLに設定されています。免疫予防効果を含むビタミンDの骨格以外の効果については 少なくとも、30ng/mLの高い血中濃度が必要であり、好ましい範囲は40~60ng/mLであると示唆されています。

血清ビタミンD濃度の基準(日本内分泌学会と日本骨代謝学会)

・正常範囲: 血清25(OH)D濃度が30 ng/mL以上であれば、ビタミンDが充足

・20ng/mL以上30ng/mL未満は、ビタミンD不足

・20ng/mL未満は、ビタミンD欠乏

まずは、ご自身の血清ビタミンD値を測定してみることをお勧めします。保険診療の範囲では、血清ビタミンD値の測定は骨粗鬆症やクル病・骨軟化症の疑われる場合、診断時には1回しか認められていません。

免疫レベルにとって「良好」の目安である「30ng/mL以上」に入っているかどうかは、ぜひ知りたいところです。自費で測定することは可能です。当院で測定した範囲では、日本人では30ng/mLを超えた人はいませんでした。

高齢者の血清ビタミンD値が高いとCOVID-19による死亡率が低下する

インドネシアの高齢者における後ろ向き研究では、血清ビタミンD[25(OH)D]濃度が34 ng/mLより高いと、COVID-19による死亡率はほぼ0%に低下することが示されました。

血清ビタミンD値が低いと、SARS-CoV-2に感染しやすくなる

全米約19万人のSARS-CoV-2陽性患者の調査において、SARS-CoV-2に感染する前の12か月間の血中ビタミンDの濃度[25(OH)D]をマッチングしました。血中ビタミンD濃度が20ng/mL未満の人は、30~34ng/mLの人に比べ、54%高いSARS-CoV-2陽性率を示しました。

ビタミンDには、ビタミンD2とビタミンD3がある

ビタミンDには、ビタミンD2とビタミンD3があります。生理活性はほぼ同等です。ビタミンD2は植物由来です。ビタミンD3 は、人間を含めた動物の体内で合成されます。魚(サケ、マグロ、サバ、ニシン、イワシ、サンマ、カレイ、シラスなど)や牛の肝臓、チーズ、卵黄に含まれています。

ビタミンDのサプリメントにも、植物由来(D2)と動物由来(D3)とがあります。植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は、主にキノコや酵母から抽出されます。動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)は、主に羊毛から得られるラノリンや魚(タラ、サメ、エイなど)の肝油から抽出されます。