【前回記事を読む】子どものクル病や骨軟化症はビタミンD不足が原因の1つに…しかし“とある行動”を変えることで、リスクは減少する。

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その2 ビタミンD

ビタミンD欠乏がもたらす体への悪影響

7.高血圧・心血管系疾患のリスク

観察研究では、ビタミンDの低値と高血圧および心血管イベントのリスクとの関連が示されています。一方、ほとんどのランダム化試験では、ビタミンDを補充することによる心血管系への有益性は示されていません。

8.自己免疫疾患のリスク

ビタミンD欠乏は、自己免疫疾患のリスクを増加させます。平均67歳の約26,000人の参加者にビタミンDまたはプラセボを5年間服用してもらったところ、ビタミンD群における、自己免疫疾患(関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、自己免疫甲状腺疾患など)の累積発生率は、プラセボと比較し、22%減少しました(ハザード比、0.78)。

また、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)、乾癬性関節炎、1型糖尿病などの自己免疫疾患で、血清ビタミンD値低値が観察されています。

700万人以上の米国軍人を対象とした大規模な前向き症例対照研究では、25(OH)D値が20ng/mL未満の白人アメリカ人新兵は、後年、多発性硬化症を発症するリスクが約2倍高いことが示されています。

9.炎症性腸疾患

ビタミンD欠乏は、炎症性腸疾患のリスクを増加させます。

10.精神神経機能

血清ビタミンD低値は、うつ病やアルツハイマー病の患者で頻繁に見られます。観察研究のメタ解析では、血清ビタミンD濃度が低い患者(25(OH)D <20 ng/mL対≥20ng/mL)では、ミニメンタルステート検査(MMSE、認知機能レベルを把握する検査)スコアが低いことが示されました。

うつ症状に対するビタミンD補給とプラセボの効果を比較した41の試験(約53,000人)のメタ解析では、ビタミンD(2,000IU/日以上)は小~中程度の効果サイズでうつ症状を軽減しました。

11.多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)

多嚢胞性卵巣症候群女性ではカルシウム濃度に異常があることが示されており、これはしばしばビタミンD不足および副甲状腺ホルモン高値に起因しています。多嚢胞性卵巣症候群女性において8~24週間にわたってビタミンDを補充したところ、HOMA-IRホーマおよびβ細胞機能の恒常性モデル評価(HOMA-β、糖尿病コントロールの指標)が改善し、総テストステロンおよびLDLコレステロールが改善したことが報告されています。

12.筋骨格系

ビタミンDは、筋骨格系の健康と機能に影響を与え、筋肉の回復と細胞のターンオーバーを改善し、筋細胞の萎縮を抑制します。非特異的な筋骨格痛、筋肉痛、関節痛も軽減します。