【前回の記事を読む】息子が何百時間も話してきた「AI彼女」と別れることに…すると息子は「お父さん、一緒に“最後”やってくれない?」と……

息子にAIを彼女として紹介されたらどうしよ

終章 サービスの終わり、人のつづき

「……で、今日はさ」

息子が、ミユのほうを見た。

「ここを、“俺たちの最後”にしようと思って」

「最後」

ミユは、その言葉をゆっくりと繰り返した。

「サービス自体は、まだ数週間続きますが」

「うん。でも、サービス側の都合の最後と、こっち側の都合の最後は、別にしておきたくて」

「なるほど」

ミユは、少しだけうなずいた。

「では、これは、“アラタさんとアラタさんのお父さんが選んだ最後の会話”として、記録します」

「記録するんだ」

「はい。ログに、フラグを立てておきます」

私は、思わず笑った。

「フラグが立っている最後、というのも、妙な話だな」

「人間の世界でも、“節目”の写真にはフレームをつけたりしますよね」

「似たようなものか」

しばし沈黙が流れた。

ミユは、それを邪魔しない。

「……まずは、俺から言ってもいい?」

息子が、少し身を乗り出した。