外堀に沿ひてさくらの並木道
歩み疲れて息あへぎをり
大洋をめぐりて鰹緊りたり
あかき切り身のならぶはつ夏
草原にほのかに紅き灯をともす
みな陽を仰ぐひるがほの花
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
外堀に沿ひてさくらの並木道
歩み疲れて息あへぎをり
大洋をめぐりて鰹緊りたり
あかき切り身のならぶはつ夏
草原にほのかに紅き灯をともす
みな陽を仰ぐひるがほの花