【前回記事を読む】「先生、大好きです」打ち明けた次の瞬間、予想もしなかったことが起きた。あの人は、答える代わりに顔を近づけ、私の唇に自分の唇を重ねて…
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「灯台、見に行こうか」
空腹が満たされて膨らんだお腹にシートベルトをかけると、あの人が言った。
「先生が言ってた灯台ですか?」
「そう。ここから近いんだ」
「行きたいです」
車が走り出してから、私はまたあの人の手を握りたくなった。膝に置かれたあの人の手に、そっと手を伸ばした。が、そのときあの人の手が落ち着きなく動いているのに気がついた。私はすぐにダッシュボードからタバコを取り出した。
「先生、吸いたいの我慢しなくていいですよ」
私はタバコをあの人の口に近づけた。あの人は「別に吸いたくないよ」とわかりやすい嘘をついた。
「母が食後の一服は格別だって言ってました。遠慮しないでください」
あの人はタバコと私を交互に見た。そして「じゃあ、お言葉に甘えて」と言うと、口を開いた。私がタバコを近づけると、あの人は嬉しそうにそれを咥えた。
「それは僕がやるよ」
私がライターをつけよとすると、あの人が手を伸ばした。でも私はライターを渡さなかった。
二回失敗して、三度目で点いた。火を近づけると、あの人は口に咥えたままタバコを差し出した。先端が火であぶられてすぐに煙が立ち上った。
「美味しいですか?」
あの人は煙を吐き出してから頷いた。
「最高だよ」
私はあの人の吐き出した煙を浴びながら、自分も最高の気分だった。