【前回記事を読む】私は神に祈る気持ちでチョコを差し出した。「食べたら感想聞かせてください」味ではなく、自分の気持ちに対する感想を。授業が終わってあの人が教室を出て行くとき、私は後を追い駆けた。しかし、走り出した足は急に止まった。なぜかあの人の背中が遠くに感じられたのだ。あの人は私の存在にはまるで気づかず、どんどん前に進んだ。そのとき私は思った。これがあの人の答えなのかしれないと。何も言わないこと…
アウトサイダー文学コンテストの記事一覧
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【最終回】大西 猛
「じゃあ、叶えたいことでもいいよ」あの人との距離を縮める二度とないチャンス、逃したら一生後悔するだろう。必死に考え......「海に行きたいです」
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第14回】大西 猛
私は神に祈る気持ちでチョコを差し出した。「食べたら感想聞かせてください」味ではなく、自分の気持ちに対する感想を。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【最終回】ホエラニア
本当にこのまま弱っていくんじゃないか…不安に駆られた僕が話しかけ続けると、お前はふと顔を上げ、「あのさ、」と…
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第13回】大西 猛
あの人にチョコを渡すのは私一人で、あの人の魅力を知っているのは私一人。他の人にはチョコをあげる資格はなかった。それがあるのは私だけだった。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第12回】ホエラニア
「少し、しゃべ、るよ」酷い怪我のまま、配信に来た親友。笑っているけど、僕には、それが本当に笑顔なのか分からない。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第12回】大西 猛
「じゃあ、気をつけて帰ってね」...それは一人で帰れという意味だった。あの人に触れられたら、簡単に燃え尽きてしまいそうだった私の体は一気に冷たくなった。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第11回】ホエラニア
お前がいない、二週連続の一人ぼっち配信。視聴者から、心無い者による危害を疑う声が上がる。その時、玄関で物音がして…
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第11回】大西 猛
見つめながら、触れたいという不思議な感情が芽生えた。あの人の体に、頬に、髪に、唇に。緊張感のない弛緩しきった肉体は、無警戒な心そのものだった。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第10回】ホエラニア
「構ってちゃんとか嫌いなんだよ。ほっといて欲しいなら一生そうしてろ」足音を荒げて部屋を出たが…あれ?違和感。あれがない。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第10回】大西 猛
私と先生の間にはガラスのように見えない、高い壁があった。どんなにあの人のことが好きだからといって、付き合うことはできない。近づくには限界があった。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第9回】ホエラニア
「本当に事故なの? 酔っぱらって転んだにしては、ちょっと…本当に酷い怪我だよ。何だか怖い。遠くに行っちゃう気がして」息子を心配する母だが...
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第9回】大西 猛
私は薄情な人間なのだろうか。父と会いたいと思わないのは心が冷たいからなのだろうか。父は家を出て行った人、今の生活には何も関係がない人だった。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第8回】ホエラニア
「なぁ、何か言って」そっと肩に触れる。教えてくれよ、お前に何があったんだ? 何か言ってくれよ、泣くだけなんておかしいだろう、お前、お前。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第8回】大西 猛
数分にも満たない短いやり取りが、私の体を喜びで満たした...夏休みなんて欲しくなかった。たった一日あの人に会えないだけでも辛いのに、それが四十日間も続くのだ。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第7回】ホエラニア
殺してやる...背中でもさすってやろうとした途端、お前の体が跳ね、僕の手が振り払われる。隻眼が僕の目を貫き、僕に襲いかかり、確かにこう言った。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第7回】大西 猛
先生への思いは大きく私の心を支配した。皮肉に満ちた笑顔、優しく包み込むような笑み。数分間話しただけで、いくつもの知らないあの人を見た。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第6回】ホエラニア
そこから血と鼻を突く臭いがして、ゴミ袋を見やる。お前の服が死んだねずみの塊みたいに固まっている。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第6回】大西 猛
口の中は水分を失い、唇が歯に張り付いていた。瞬間、先生の匂いが迫ってきた。私はそれを鼻いっぱいに吸い込んだ。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第5回】ホエラニア
死に直面した人間が吐き出すような絶叫に、尋常でない様子の親友を訪ねる。扉が人一人分きっちりと開いて、僕の目の少し下辺り、お前の頭が揺れている。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第5回】大西 猛
先生の存在を全身で感じたかった。顔をもっと近くで見て、匂いをもっと近くで嗅いで、言葉を鼓膜が痛くなるぐらい近くで聞きたかった。