<基底線>を最初に提示したローウェンフェルドは、基底線について、『美術による人間形成』で子どもの絵の事例を通していくつかのタイプについて語っています(3)。
人は、少しでも身体が傾けば、元に戻ろうとします。耳の機能としてある平衡機能が、空間知覚の基盤になっています。画面下部に描かれる基底線は、上下左右の空間知覚の基盤です。
歩行による空間認識の広がり及び平衡感覚の身体的経験が重要です。この基底線によって、空は上にあるという認識が初めて定着します。奥行きはまだ認識されません。この時期に背景を塗らせることは、発達段階を無視することになります。
(1)フレーベル『人間の教育(上)』荒井武訳、岩波文庫、1964
(2) V. ローウェンフェルド『美術による人間形成』竹内清・堀ノ内敏・武井勝雄訳、黎明書房、1980、pp.188-201
(3)同上、pp.183-201
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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