俳句・短歌 四季 歌集 2020.10.19 歌集「旅のしらべ・四季を詠う」より三首 歌集 旅のしらべ 四季を詠う 【第23回】 松下 正樹 季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める 最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 若竹の葉末をゆすり吹く風の 涼しき夏のまためぐりくる 立ちまじる竹の林に若竹の 青くつやめく幹まぎれなし 改行2行取り 若竹の節ぶしの間の内側は 筒のやうにてきよらかなり
小説 『泥の中で咲け[文庫改訂版](注目連載ピックアップ)』 【第10回】 松谷 美善 マッチングアプリ相手の希望で、夜11時に集合…ワゴン車の後部座席で渡された紙コップを飲んでしまったところ、記憶がなくなり… 【前回記事を読む】ふと外を見ると、車からよろよろと歩く女性を男が家に引き入れ、得体の知れない液体を飲ませていた。退屈していた。とにかく毎日が退屈だった。夫は今度、いつ帰ってくるのだろう。盛りのついた猫のように、ただ異性を求め続けた。優し気な言葉、写真で見る限り華奢な男。この人なら大丈夫かな。直感でそう思った。すぐには会わない。それがあたしのやり方。毎日毎日、絶え間なくメールを交換して、毎晩毎晩、…
小説 『月海』 【第6回】 月原 悠 四畳半のアパートで、家族3人暮らしが始まった。父の出稼ぎに病気がちな母と私もついていくことになり、3カ月の予定だったが… 【前回記事を読む】幼馴染の彼女と同じ人を好きになったが、彼に告白することはできなかった…なぜなら、彼が想っているのは明らかに…。樹木からあふれる春の日差しも、初夏を思わせるものへとうつろっていき、風鈴が風に揺れ、澄んだ音色が初夏の空気に溶けていった。沢田と妙子は想いを、より育んでいった。小太鼓の音が鳴った。笛の音色が怪しそうに聞こえて来た。外は祭りの賑わいが感じられた。音に導かれるように沢田と妙…