「うおおおお、うおおおお……」
教3の部屋で高井良が身を悶えさせながら奇声を上げている。
「うるさい、何だ、そのさかりのついた雄猫みたいな声は?」
業を煮やした天蓋が読んでいた新聞を高井良に投げつけた。それでも高井良の奇妙な態様に変化はない。
「あんたさ、絶対童貞でしょ」
詩が鼻で嗤った。
「失礼ですよ! それこそセクハラです。僕はただ純粋にコロネちゃんともっと話がしたかっただけなんです」
「『僕が真っ先に辻さんが犯人だと指摘したんですう』とか自慢したかったんでしょ。あんたなんか天蓋さんがいなかったらボコボコにされてたんだかんね」
「そんなこと分かってますよ。でも、どうしたらもっとコロネちゃんとお近づきになれるんだろう。経験豊富な詩さんなら何かいい方法を知ってるんじゃないですか?」
「知らないわよ、そんなこと。自分で考えろ」
「そんな薄情な。僕、高校まで男子校で、東大女子もエリート揃いで気が引けて、今までほとんど女の子と話したことないんですよ。ねえ、教えてくださいよ。ねえ」
高井良が立ち上がって詩に迫った。
「ちょっと、私も女子だぞ。何で私には馴れ馴れしいんだよ。天蓋さん、この童貞、何とかしてください」
「そんなに女性とお近づきになりたいのならいい方法を教えてやらなくもない」
天蓋が腕組みしながら言った。
「えっ、何ですか?」
「これだ」
天蓋は上着のポケットから2枚のチケットを取り出した。
次回更新は9月28日(月)、21時の予定です。
【イチオシ記事】隣の部屋の男から誘われた。つい昨夜、別の女性と愛し合う“あの声”が聞こえたのに…なぜか断れず、誘いに乗ってしまった。
【注目記事】目が覚めると、彼氏がベッドに縛られていた…傍で女が笑ってる。彼の悲痛な声もお構いなしに、女は彼の服を脱がし体にキスし始めた
ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp