しかし、ドイツは称賛され、日本はその石炭政策のために国際的に非難されている。例えば、23年12月5日アラブ首長国連邦のドバイで開催された第28 回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)にて、日本が不名誉な「本日の化石賞(Fossil of the Day)」第3位を受賞したことだ5。
この化石賞を主催する団体は民間のClimate Action Network(CAN:気候行動ネットワーク)だが、その批判例といえよう。両国の違いは、ここでも政策決定だ。ドイツは、メルケル政権下(当時)で、遅くとも38年には脱石炭を完了、30年には再エネ総電力消費の65%をまかなうことを法制化した6。
しかも、ドイツにおける15年の褐炭産出量は約1 億7,800万tで、中国を上回り、世界第1位である。産出量の約90%が国内の発電および地域暖房に消費されている7。一方、日本で現在稼働している炭鉱は、資源があるにもかかわらず、極端に少ない(21年度約0.4%)。それで生産量も少ないため、石炭調達の大部分を海外からの輸入に頼っている8。
更に、ここで「ドイツはフランスの原発の電気を買っているから脱原発が実現された」という言説があるが、その点について、次の「1-3 フランスの電源事情は原発中心」で反論し、そうでないことを証明する。
以上のように、ドイツは再エネ政策を奨励しながらも、しっかりとした規制も同時に行っている。しかし、ドイツのいい点は真似することができたとしても、日本の風力発電の適地は不足しており、ドイツの通りにはいかない。
つまり、100%再エネの社会を目指すには、ドイツのように 24時間動く風力発電群は、適地が少ない日本では実現が難しいということだ。たとえ、夜は発電しないので、太陽光電池を普及させ、グリーン水素や蓄電池を活用しても、エネルギーロスや効率低下が避けられない。
1 ドイツの電力事情⑮ 送電線の押し付け合い─NPO法人 国際環境経済研究所 International Environment and Economy Institute(ieei.or.jp)竹内純子国際環境経済研究所理事・主席研究員に詳しい。
2 2021年3月26日付カースティン・アプン ドイツの送電網局が南北電力高速道路のルート回廊を確認/クリーンエネルギーワイヤー(cleanenergywire.org)
3 https://a-nord.amprion.net/Project/Bauweise/Amprion社のホームページ参照
4 https://a-nord.amprion.net/Netzausbau/Aktuell-Projekte/A-Nord/ Amprion社のホームページ、A-Nordの説明から
5 CAN-Japan プレスリリース COP28にて日本が再び「本日の化石賞」を受賞 https://00m.in/EqXEE
6 https://www.renewable-ei.org/pdfdownload/activities/REI_DE_DecarboStrategy.pdfの「ドイツの脱炭素戦略 自然エネルギー拡大と脱石炭・脱原発にむけた政策と法整備」に詳しい。
7 ドイツのエネルギー資源─自給率、輸入依存度、輸入先─ドレスデン情報ファイル(de-info.net)
8 石炭とは? 分類や産出国、日本の輸入量・消費量などについて解説 【公式】 サービスサイト/伊藤忠エネクス株式会社(itcenex.com)による。
【イチオシ記事】2人も産んだ女の体。本当は見せたくないのに…仰向けになったところで、脇を舐められ、「いや?」と聞かれ…
【注目記事】彼氏以外の男性に唇を奪われても私は抵抗しなかった。それは彼氏への不信感が強まっていたからかもしれない
ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp