1960年代後半からだろうか、スウェーデンはfree sexの国なる評判がたっていた。

1974年にこの国に到着したが、性の自由化はともかく、街のメインストリートの一角に沢山のポルノショップが犇(ひしめ)いていたことは確かである。また、街中には昼から酔っぱらっている多くの若者を見かけた。

性の自由化はアメリカのヒッピー・ムーブメントによるカウンターカルチャーが大きな役割を担っていよう。ミロス・フォアマン監督による『Hair』やデニス・ホッパー監督の『Easy Rider』という映画にその辺のことが描かれている。

また、ストックホルムの街中で特異な髪型と衣装を纏ったインド由来の宗教であるハレ・クリシュナの一行によく出会った。

当時はヒッピーの間でインドの宗教がもてはやされていたが、西洋のキリスト教的・資本主義的な価値観への反抗とそれとは別の生き方や精神性を求めるなかで、神秘的で超越的な真理としてインドの宗教への憧れがファッションとしても取り入れられていたようである。

そこにある種のオリエンタリズムを認めることができるが、Alain Watts(アラン・ワッツ 1915〜1973)のように中国や日本の精神文化を深く学び、数々の著作を残した人物がいたことを注記しておこう。

酔っぱらった若者たちというのは、普通に働くよりも失業保険で暮らした方が得だという手厚い福祉国家の保護によるものであった。

確かに労働意欲をなくしてしまうような福祉政策というものは、人間を良い方向へは導かないようである。