しかし、本当に恐ろしいのはその後である。

五分もすると母は平然とリビングの椅子に、私たちと相対するように座った。

つい先ほどまで鬼の形相だった母の顔はいつもと変わらない面持ちに戻っている。

妻に掴み掛かり傷を負わせたことも、私が母の顔を平手打ちしたことも、何事もなかったかのような様子でいる。

私はおそるおそる聞いてみた。

「今日はどう過ごしていましたか?」

母は相変わらずの無表情で答える。

「いつも通り、その辺を歩いてお茶してました」