しかし、外出時には守らなくてはならない約束事がある。必ず介護スタッフに外出する旨を伝えなくてはならない。
介護スタッフが毎晩各部屋を訪れ、居住者の様子も確認するからだ。
この点だけ守れば、それ以外の拘束事項はなく、自由気ままな生活が可能だ。
ある程度自立した生活ができる高齢者が契約可能であるため費用も抑えめである。六十代後半から自分の意思で入居する人もいるくらいだ。
一方、介護ホームは、サ高住とは違って一般的に各部屋にキッチン設備はなく、浴室やトイレが共同というところも多い。共同の食堂はサ高住と変わらない。
しかし、サ高住とは大きく違う点がある。それは介護ホームの玄関は常に施錠されていることだ。
認知症の入居者は徘徊する可能性があるため、外と繋がる扉はすべて施錠されている。
スタッフの人数もサ高住に比べて多いため、重度な認知症や寝たきりなどにも対応できる。ただし、費用は高めでサ高住のおおよそ二倍くらいになる。
候補の一つは約一年前に面接をしてもらっているサ高住だった。
しかし建物や設備は立派だったが建物周辺には何もなく、母がふらっと出かけて食事をしたくなった時に不便なのが気になった。
母は家の近くの喫茶店によく行っていたので、ここでは今までと似たような生活ができそうになかった。
また月々の費用が高めだったため別のサ高住を探した。
母の家から車で二十分ほどのところにあるサ高住は、その近くには商店街があり費用も低めだった。まずは妻と二人で訪問した。
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