「見つけた? 何をですか」
「新しい星だよ」
「新星をもう?」
この質問に水口さんは相好を崩した。
「新星というのはだな――こりゃ篤先生の受け売りだが」
そう前置きすると、彼は天文少年から授かった知識を披瀝した。
「新しくできたんじゃなくて、近く終焉を迎える星の姿だそうだ。つまり、ワシみたいな年寄りの星ってことなんだよ」
「そうなんですか」
「表面の一部が爆発して一時的に明るくなったのを見て、昔の人は新しい星ができたと考えたんだろうね」
「なるほど」
「一気に大爆発して派手に終わるのを超新星というんだが、そんなのは少なくて、星の最期ってのはしぼんでいくのが普通だそうだ。ワシみたいだろ?」
得心はしても首肯しにくい流れだ。ここは曖昧に目を細めるだけに留めた。
「じゃあ見つけた星っていうのは……」
「これだよ」
そう言って庭を指さす水口さんはとても楽しそうだ。子供たちの元気なはしゃぎ声。これこそが新しい星、ということなのだろう。
寂しい星と思っていたフォーマルハウトには仲間がいて、孤独だった水口さんの周りには子供が集まるようになった。意図したことではないにしろ、このようなコミュニティを創ったアツシくんこそが、彼にとっての新星と言っていいのではないか。
次回更新は9月11日(金)、11時の予定です。
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