【前回の記事を読む】7年近く文通した彼女と初めての映画へ…しかし手紙では優しかった彼女は、僕の目の前でボーイフレンドと濃厚なキスを何度も見せつけてきて…
初めての海外旅行 1971年のアメリカ
【マサチューセッツ州】
ここボストンでは同じ飛行機でアメリカまでやって来た同級生のゆり子さんと合流することになっていた。彼女とも少林寺拳法の同好会や茶の湯で一緒だったりといろいろご縁があった。
この旅行でも似たような縁でアリフェリス先生夫婦にお世話になることになったのだと思う。同じ飛行機でアメリカに来てからほぼ1ヶ月。
お互いにまったく別のルートで別の旅をしてきた訳で、それぞれのアメリカ体験談にさぞかし花が咲こうかと楽しみなことこの上ない。
こうして無事にボストンに着き、久し振りにアリフェリス夫妻にもお会いして互いの無事を確かめ、再会を喜び合った。
日本にいると先生はどうしても「外人」ということで目立ってしまい、またそのように周りの人からも特別に扱われ、常に「外人」を意識せずにはいられない環境だったのだと思うが、ここアメリカでは当然先生たちも「只の人」である。
街の人ともごく自然に振舞う「一般人」である先生の姿を見ると、先生も普通の人だったのだと当たり前のことを再確認して妙な感心をしてしまう。
先生のお宅は市内のアパートであった。一両日はこの古い街の市内で歴史的な観光スポットを回って過ごした。
古い英国の雰囲気を醸し出す佇まいの街並みとかという触れ込みだが、なにせ英国に行ったことがないので感心する術がない。
とは言っても、古い建造物やモニュメントなどが自然に溶け込んでいるこの街は確かに歴史に裏打ちされた落ち着きというか貫禄のようなものを感じさせるのは確かである。
ハーバードやMITなど有名な大学があって学生や研究者が多いのも理知的な雰囲気を醸し出している一因になっているのだろう。
なにせ歴史が新しい国なので、どんなものでもちょっとでも古いものをとても大切にするアメリカ人の気持ちは分かる。
奈良の法隆寺の五重塔が千年以上も前に建造された世界で一番古い木造建築だなどというのはアメリカ人にしてみれば気が遠くなるような話であろう。ましてや、地震多発国においてである。
そうこうしている間に、前述のゆり子さんがボストンの空港に到着し、皆で迎えに行って久々の再会。学校で見慣れた彼女の姿を見るとこちらも自然に頬が緩む。
さて、彼女はこの1ヶ月間にどんな経験をしてきたのだろう。20歳の綺麗な女の子の一人旅である、さぞいろいろな土産話があるに違いない。