【前回記事を読む】「早く病院に行った方が」妻に催促されたが、「まだ大丈夫」と猫の受診を24日に延ばした。ところが翌朝、一口も食べておらず……

悲しみの底で見つけたもの~猫さんが生きた八十九日間の記録

四月二十四日(木)

朝、出しておいた食事には口をつけない。飲水量も少ない。

この日は午前と午後に二件の仕事が詰まっているが、その分早く終わる日でもある。仕事が終われば予定通りかかりつけ医の所へ連れて行くつもりだった。そして、仕事をてきぱきと終わらせ、夕方の診療時間に間に合った。

二次病院では水分が過剰で腹水が溜まっているという評価だったが、ここでは脱水を指摘された。これは二人の獣医師の間で状況の評価が分かれているのか? それとも毎日六、七回のおびただしい排尿で数日の間に体内の水が抜けたのか? それは先生にも分からないと思う。

先生は皮膚を摘まんで判断している。人間でいうツルゴール反応という診察方法だろう。本当はエコーで腹水の様子を見て、採血で脱水の評価をしてほしいところだが、人間と違って動物にはそこまでしないのかもしれない。それにしても腎不全は厄介だ。

尿が上手く出せないので、脱水と水分過剰の間のナローパスを通る様に水分コントロールをしなければならない。私には分かっている。それは不可能なのだと。しかしやるしかないのだ。

というわけで、先生には一日200mlの水分補給を指示された。最初400mlと提案したのに、急に半分に提案を下げた。適当だ。しかし、先生にだって適切な水分量は分からないのだろう。

食欲増進剤は飲むと吐くので止めていたが、制吐剤と併用する事になった。ステロイドは血栓を作りやすいのでもう止めるように指示した。急に止めて副腎不全を起こさないかと尋ねたら、猫では大丈夫だとの事。本当だろうか? 更に尿毒症でけいれんを起こした時に受診する目安も聞いておいた

この日は飲水が不良で、ミキサー食とちゅーるで140キロカロリーを食べた。カプロモレリンを再開したが嘔吐しなかった。制吐剤との組み合わせは上手く行った。排尿は六回で嘔吐一回。便秘八日目だった。

この日の水分は飲水30mlに点滴60mlの合計90mlだった。

久しぶりに測定してもらった体重は……、たったの3・96kgだった。いよいよ終りが近づいていた。