その日の夜、家族で夕食を囲みながら、みんな沈鬱な思いでいっぱいになった。

小さな子供みたいだ、と母に笑われるほど、私は声を上げて泣いた。涙が止まらない。

私のせいで、醸の寿命を縮めてしまった。痛い思いをさせてしまった。

もう少し気遣ってやれたらよかったのに。

もっといい獣医さんにかかればよかったのか。

冷たくなった醸は、ケイジの中にバスタオルにくるまって寝ている。体が一回り小さくなったように感じる。

弟犬が、どうしたの、ごはん食べないの?とでも言うように、のぞき込んで顔をぺろりとする。

ほんのひと月ほど前に迷い込んできた猫まで、醸のケイジをのぞき込んで、匂いを嗅いでいる。

犬好きの父は、黙って夕食を食べながら、時々涙をぬぐっている。

夫は、いつもより酒量が増えている。

虹の橋

広い敷地の一角に、醸(ジョウ)は埋められた。

硬い土をシャベルで掘る。桜の樹の根元に埋めてやりたかった。

いつだったか、一緒に散歩したとき、散った花びらを鼻にくっつけたまま、醸はうれしそうに歩いた。

バスタオルに包まれた体の上に、たむけの花を散らした。

虹の橋を渡るのも、その短い脚では大変だろう。

イヤだっていっても、もう抱っこはしてあげられないからね。

さあ、頑張って一人で歩いていくんだよ。

いつまでも忘れないから、いつまでも忘れられないから。