【前回の記事を読む】実家の酒造をドラマ撮影で貸すことに…だが居室や駐車場を占領され、3日。夕飯の準備をしたくても「電気はつけるな、音も出すな」
第二走者 醸 (ミニチュア・ダックスフント) 平成九年~平成二十二年
兄弟愛
兄弟というものは不思議なもの。
兄あるいは、姉というものは、いつどんな状況であっても、弟や妹よりも自分のほうが勝っている、と心の底で思っている。
だから、何かにつけて弟か妹の世話を焼く。
弟犬の黒ラブがもらわれてきたときの醸(ジョウ)は、じつはとても意地悪な犬に変貌した。
おそらくは自分の縄張りに入ってきた邪魔者を、何とか追い出そうとしたのだろう。
子犬は醸より一回り小さな体で、鳴き声もまだきゅんきゅん幼かった。醸はその子犬の耳をちょこっとかじっては、一歩下がって大きく吠え立てる。
人間がかばって子犬を抱っこしようものなら、それがまたいけないと、吠え立てる。
食事となると、隣り合わせに食べさせようとしても、自分のフードが奪われるのではないかと、またまた威嚇をする。
疲れて眠るのを待って、人間がそうっと子犬をケイジに収納する。が、すぐに気がついて、またまた子犬を噛もうとする。
追いかけっこが続くうちに、仲裁をする人間のほうが疲れ果ててしまう。
新入りへのいじめは、三日三晩続いた。
「相性が悪いようだから、子犬は返そうか?」