・「減価資産借入金」の増減について

企業が「減価資産借入金」を調達する場合、融資者はその資産がどれくらいの期間にわたってお客様から「立替金の回収(売上)」を生み出すかを見積もり、その期間に応じて元金を分割して返済する条件で融資します。

実務では、税務上の法定耐用年数に基づいた期間での分割返済が一般的です。

この返済期間内にお客様から「立替金の回収(売上)」が十分にできれば問題ありませんが、実際には設備の使用期間が融資の返済期間を超えることがあります。

例えば、運送会社がトラックを購入した場合、税務上の法定耐用年数は4年とされていますが、トラック自体は10年以上稼働するのが一般的です。

ライバルとの激しい競争の中で、4年間でお客様から「立替金の回収(売上)」を完了することは難しく、実際には10年かかるということも考えられます。

もし「減価資産借入金」が4年間の返済条件であれば、企業は短期間での返済を強いられます。

この場合、お客様から「立替金の回収(売上)」が完了していないにもかかわらず、返済が進むことで「預り資金」が減少し、その不足を補うために「運転資金借入金」や「在庫資金借入金」を調達することになります。

これにより、本来必要とされる以上の「運転資金借入金」や「在庫資金借入金」が発生し、融資者は事業が実質的に赤字である可能性を疑い、融資条件の見直しを行う可能性があります。

もし融資者が資金を引き揚げることになれば、企業の事業規模は縮小を余儀なくされます。この問題を回避するためには、経営者が「減価資産」の実際の使用期間を考慮し、融資者と返済期間について交渉することが重要です。

また、お客様からの「立替金の回収(売上)」額以上に返済してしまった場合には、「減価資産」の実質的な価値も考慮し、再度「減価資産資金借入金」として資金を融資者から調達する必要があります。

この対応を怠ると、「預り資金」が枯渇し、「運転資金借入金」や「在庫資金借入金」の名目で追加の融資を求めても融資者の理解を得られず、「黒字倒産」というリスクが発生する可能性があります。

したがって、適切な資金管理と融資者との透明なコミュニケーションが求められます。