事例1 ご遺体に心臓マッサージ!?

残暑厳しい9月のある日の事でした。若手社員と二人で外出中に会社より連絡が入りました。

「『あるアパートの住人を最近見かけないが、心配だから確認してあげて欲しい』という連絡が入りましたので現場に直行してください」という内容でした。

その住人の事は私も知っていたのですぐに訪問しました。現場に到着後、まずは若手社員を一人で訪問させました。しばらくするとその社員が笑顔で戻って来ました。

「どうだった?」と尋ねると「大丈夫です、玄関の鍵が開いていたので外からのぞいたらベッドの上で扇風機にあたって寝ていましたよ。呼んでも起きないのでそのままにしてきました」と言いました。

私は「それ、まずいんじゃないの」と言い、すぐに部屋を訪問しました。

玄関の外からのぞくと、住人は確かにベッドの上で気持ちよく寝ているようにも見えました。しかしながら、声を掛けても返事はなく、起きる様子もありませんでした。嫌な予感がしたので構わず入室しました。ベッドに近付くと、既に亡くなっているとすぐに分かりました。

私は慌てて119番通報をしました。すると電話に出た救急隊員は「相手の体に心臓マッサージをしてください!」というではありませんか!

私「いや、もう無理だと思いますよ!」

救急「無理かどうか分かりません! やってください!」

私(ええ~~!!)

生真面目な私は仕方なくご遺体に対して心臓マッサージを行いました。弱い力で数回心臓マッサージをしましたが、残念ながら結果が変わることはありませんでした。

私は電話の救急隊員に「やはり無理です」と再度伝えました。

しばらくすると、現場に救急車と警察が到着しました。室内での鑑識、ご遺体が搬出されるまでに私は立ち会いました。幸い事件性はなく、病死(自然死)と判断されたケースでした。

まだ発見が早かったため、ご遺体の傷みもなく臭いもなかったのも幸いでした。   後は室内の家財の片づけ等の事後処理をルールに則り行いました。          

室内で住人が自然に死亡するケースであっても、その後に残る影響は小さくありません。それ以上に入居者募集や管理に大きく影響を及ぼすのが自殺、殺人のケースです。