【前回記事を読む】家賃滞納した入居者が飛んだ。後日、兄と名乗る人物が泣きながら「実は弟が交通事故で亡くなりました」私は同情してしまい…
第一章 管理会社と賃貸物件
家賃滞納における強制執行
賃貸物件に住む以上、毎月家賃を支払わなければいけません。支払いができなくなれば自主的に退去するか、家主様より裁判を起こされて負ければ、強制的に退去させられます。それを強制執行と言います。
裁判所より執行官が現地に赴き、入居者に対して退去を命じるのです。ここでは家賃を滞納した結果、強制的に退去する事になった家族の事を紹介します。
ドタバタ強制執行!
ある日、仲の良い早瀬支店長(仮名)が私に相談を持ち掛けてきました。内容は、
「今度あるマンションの滞納者を強制執行で立ち退きさせるのだけど、うまくいくか心配なんだよね」との事。
私は「裁判所から執行官が来てくれるのだから大丈夫じゃないの?」と返しました。
すると彼は「その滞納者がチンピラみたいな奴で、一筋縄ではいかないんだよね。家主さんもマンションのすぐ近くに住んでいて逆恨みされるかもしれないから、心配なんだよね」と言いました。
私も他人事ではないので、同行する約束を致しました。
そして迎えた当日。私は早瀬と一緒に車で現地に向かいました。私も相手の事が気になったので「相手の人はどんな顔つきなの?」と尋ねると早瀬がこう言いました。
「こん畜生みたいな顔しとるわ!」私は思わず笑ってしまいました。
現地に到着すると予定通り裁判所より執行官が来ました。インターホンを押し、面会を求めました。
相手は櫛田さん(仮名)。櫛田さんはあっさりと玄関を開けてくれました。
顔を見ると、なるほど、一筋縄ではいかない強面の頑固おやじ顔という表現が似合う人でした。
執行官が事情を説明し、退去する必要がある事を言うと、こう言い返してきました。「分かっとるわ! 出てけばいいんだろ!! だけどまだ行き先が決まってないんだわ! 小学生の子供もおるしどこに行けばいいんじゃ? それともお前らが世話してくれるんか?」と無茶苦茶な事を言うではありませんか!
また室内にはガラの悪い仲間も数人いました。
執行官も「判決に則り裁判所より退去の命令が出ている以上はあなたの行き先が決まっていなくても退去して頂くしかありません!」と返すのですが、しばらく押し問答が続きました。