「いい人に見られたい」という気持ちを手放す

今思えば、似たようなことが過去に何度もありましたが、いずれも私に原因がありました。

もちろん、父のことが心配で面倒を見ていたのは間違いないのですが、当時の私は、心のどこかで人目を気にしていましたし、「もしお父さんに何かあったら私の責任になってしまう」「いい娘でいなければいけない」「周りの人からいい人だと思われたい」「誰からも文句を言われたくない」という気持ちが確実にありました。

そんな私のエゴが、父や周りの人たちに、私への悪口を言わせていたような気がするのです。

でも、ある出来事をきっかけに、私は開き直り、「面倒を見ているのに、悪者にされるなんてばかばかしい」「もう、誰にどう思われようと関係ない」「父は違う世界に住んでいるのだと考え、父のことは何も心配せず放っておこう」「いい娘でいようとするのをやめよう」と思うようになりました。

これには勇気がいりましたが、いざ実行してみると、父関係のストレスから解放され、私自身が機嫌良く過ごせるようになりました。

すると、不思議と父も機嫌良く過ごすようになり、なぜか父に関して、誰からも何も悪く言われなくなったのです。しかも、父は私のことを、「おまえはいい娘だなあ」と言うようになりました。

悪く言われないようにしよう、と気にしているうちは言われ、気にしなくなると言われなくなる。そこに私はやっと気がつきました。

これは大きなヒントになりました。いい人に見られたい、という思いは「私はいい人ではないからいい人に見られたい」ということです。

潜在意識は本心をそのまま受け取ります。そしてその通りに「私はいい人ではない」という言葉を浴びる羽目になるよう現実化してしまうのです。

これに気づいてからこのパターンからは抜け出しやすくなりましたが、私の人生には何度もこの課題がやってくるのでした。

 

父はその後、奇跡的に、近くの老人ホームに空きが出て、そこに入ることになりました。

最初のうち、やはり父は「娘夫婦から捨てられた」「家から放り出された」と近所の人たちに言っており、父に同情する人も少なからずいました。しかし、気にしてはいけないと思い、私はネガティブ思考を打ち消すために、頭の中で、父のことを「幸せな人である」と設定しました。

周りの人たちにも「父はラッキーな人で、幸せに過ごしているんです」と話すようにしたところ、何と現実が私の設定通りに書き換えられていったのです。

現在、父はホームの若い女性スタッフに囲まれ、毎日元気に楽しそうに暮らしており、ご近所さんや飲み仲間から「幸せな老後でうらやましい」と言われるようになりました。

 

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